2017-06-24

古い地図と地球儀と

こちらの古い地図。正確に言うと「地図型パズル」(5県分が欠損しています)

先日の大阪イベント中の散策(放浪とも言う)でたまたま見つけたこちらのお店で出会いました。

家具とアンティークのお店 ANdo

場所は「平野橋」のたもとです

部分的に拡大して見てみましょう

1844年との表記

ですが、1844が「出版年」とは限りません。
年代を判定するためのヒントが地図上に隠されているに違いありません

懐かしい南フランス。フィゲラスの表記も見えますが、特にヒントはありません。

ん?サルデーニャ王国? なるほど、イタリア統一前だということが分かりますね!

ん? バーデン大公国?

ん?? ドイツ連邦??

フランス革命後のヨーロッパの歴史に詳しくない方(僕を含め)に、時代の流れを理解するためのヒントを
なんとなくつかめましたか?

「ドイツ連邦(Confédération gérmanique)」については補足が必要ですね。旧西ドイツの正式名称「ドイツ連邦共和国」とは違い、本来なら「ドイツ連合」の方がより正確かと思われますが、1815年のウィーン議定書(ウィーン会議での取り決め)によって誕生した国家連合です。
プロイセンとオーストリアとの間の戦争(普墺戦争、1866)の結果、解体されます。その後、年表にもあるように東側ではオーストリア=ハンガリー帝国、西側ではプロイセンを中心に北ドイツ連邦→ドイツ帝国が誕生します。

というわけで、以上から確実に言えるのは、この地図は「1844~1860の間に制作された」ということなので、少なくとも157年前の物だということになります。

さて、なぜ僕がこの地図(型パズル)が欲しくなったかと言うと、2012年にパリに行った時に買ったこちらの地球儀を持っているからです。

土台の部分は壊れていたので自分で補修しました

残念ながら年代の表記はないのですが、売り主は「19世紀のものだ」と言っていました。
この地球儀については、オークションで同様の物が出品されています。これとかこれなど。やはり19世紀末とされています。

では、ヒントを探してみると
日本の表記がEMPIRE DU JAPON、すなわち(大)日本帝国となっています。
ということは、1868年の大政奉還後だと分かりますし、「Corée」とあるので、日韓併合前、そして

「Empire chinois」は「清」なので、いずれも1910年、1912年前だと分かります。

他に何かないかと探してみると、
「ETAT DU CONGO」とあります。
これは、「コンゴ自由国」だと思われます。
この説明によると、1885-1908年に存在した「ベルギー国王の私領地」ということで、「国民」はかなりひどい扱いを受けていたようです。

以上。僕の適当な分析なので、興味のある方はどうぞご自分でお調べいただき、もし間違い等があればご指摘ください。

いずれにしても、こうやって古いものからいろんな情報を得て勉強できるのは面白いですね。この地図上で、いろんな出来事が起きていたんだなあと想像できますし。

しかし、アンティーク品に対する興味は男女で割とはっきりと分かれるようで、こういった地図などに興味を示すのは、ほとんどの場合男性だということは、骨董屋さんの間でも共通の認識のようですね。


0 件のコメント:

コメントを投稿