2016-10-22

顔出しNG?

「ものづくり界」では著名なある方が、ある作家さんに対して次のようなことをおっしゃっていました:

「○○(ブランド名)の○○(作家名)さんは○○(作っているもの)も本人も魅力的なのに、写真に写りたくないと言っていたので、その意識では稼げるようにならない理由を説明してきました」

その「理由」が何かは具体的には語られていませんでしたが、「その意識では稼げるようにならない」という結論にはとても共感できます。

実際、僕の知り合いの中でも、「俺(私)、顔出しNGだから」とか平気で言う作家がいます。しかし、手作り作家にとって、その作品自体のクオリティはもちろんですが、「自らの顔」も、その作品、ひいては自分のブランドの価値を担保する大切な要素なのです。なぜかと言うと、個人ブランドは、大手のブランドと違って「(ほとんど)誰も知らない」からです。

分かりやすい例で言うと、(道の駅などで)産直野菜に添えられている「この○○は私が作りました」という生産者の顔写真入りのプレート。生産者の顔を見ることで、買い手は「ああ、この野菜はこの人が自信を持って作っているんだな」という「安心感」を得て、買おうという気になるのです。

この産直野菜理論(?)から言えば、「顔出しNG」は、「自分が作っているものに自信がない」という意味に捉えられます。そして「自信がないような作品は、誰も買ってくれない」という結果になるということでしょう。

もちろん、催事やイベントでの実演販売では基本的に作家本人がいるので、そこに行けば作家の顔は見えるでしょうが、そこで出会える確率というのはとてつもなく低いものです(ですから、そこでの偶然の出会いを大切にしなければならない、ということもありますが)。

ブログやSNSを利用している作家は、「誰かに見てほしい」からこそ、そういうツールを利用しているのです。冒頭の発言は、自分の顔を出すくらいの気持ち(=作品に対する自信)がなければ、稼げる(=プロの作家として生きていける)ようにはならないよ、という心構えを説いたものなんだろうな、という気がします。

じゃあうちはどうかと問われたら、作家である妻は「基本的に顔出しNG」です(たまに出してますが)。理由は、お見せできるような顔ではないから(と言うと炎上しかねませんが、本人がそう言っているのですから仕方ありません)。その代わり、販売担当の僕の顔はバンバン出します(ここは夫婦でやっているメリットの一つかもしれませんね)。それはもちろん作品に対する自信の表れでもあります。反対に、「こんなやつからは買いたくない」と思われるかもしれませんが、その時はその時で。。


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